客室を彩る
「折り紙」名人!


2010年から、東京・初台にあるリゾートトラスト株式会社の「東京事務支援センター」ではたらく藤井遼馬さんは、仕事をはじめて13年目。特別支援学校高等部を卒業後、就労支援センターを経て、全国各地にホテルを展開しているこの会社に就職しました。
お客さんに送るダイレクトメールの封入作業や、郵便物の仕分けなど、さまざまな作業を担当していますが、中でも藤井さんが頼りにされているのが、「折り紙を折る」作業。ホテルの客室やレストランにちょっとした飾りとして置く折り紙をつくっています。
藤井さんは、センターでいちばんの折り紙名人。早く、きれいに折れる腕前を買われ、多いときには、1日約300個も折り紙を折っています。
実は藤井さん、気持ちを落ち着けるために、小さなころからよく折り紙で遊んでいて、折り紙が大の得意。でも、そのことを会社の人は知らなかったので、最初に藤井さんに作業をお願いしたとき、あまりの速さにびっくりされたそうです。
藤井さんたちの折り紙は評判を呼び、はじめはひとつのホテルからの注文だったのが、いまでは8つのホテルから、ハロウィンの時期にはお化け、クリスマスにはサンタクロースなど、季節に合わせた折り紙の発注が届くようになりました。多い月には、1か月で約8000個もの依頼がきます。特に子どもたちに人気で、折り紙を持ち帰るお客さんも多いとか。
藤井さんが自分の気持ちを落ち着けるためにやっていたことが、いまでは、お客さんをよろこばせる仕事になっています。

「折り方」を見なくても、折れちゃう
藤井さんは、あまりにたくさんの折り紙を折ってきたからか、完成品を見ただけで、折り方を見ずに、折ってしまうことも!ただ、ほかの人と違う折り方になってしまっては困るので、仕事中は折り方を動画で確認しながら、折るようにしています。なんでも折れますが、特に船やトラックなど、乗り物を折るのが大好きです。
※本記事の内容は2022年8月時点のものです。