ずっと憧れていた
「カフェの店長」に!


やっちゃんこと森川靖子さんは、愛知県名古屋市の住宅街にあるカフェ「ガーデンカフェやっちゃんち」の店長。2014年に念願のカフェをオープンしました。
母親の和世さんは元看護師さん。やっちゃんは、小さなころから病院の中にある喫茶店でお母さんの仕事が終わるのを待つうちに、“喫茶店”が大好きに。特別支援学校の高等部を卒業後は「カフェではたらく」という夢を持ちますが、なかなかはたらける場所は見つかりません。
結局和世さんのはたらいていた病院で、看護助手として仕事をはじめます。ガーゼを補充したり、哺乳瓶を洗ったり。でもその間も、やっちゃんはカフェの店長になることをあきらめませんでした。誕生日には、「喫茶店のオーナー目指して、がんばってます」とみんなにアピール。お店の見取り図も何枚も何枚も描き続けました。10年働いたことを区切りに、とうとう家族もやっちゃんの夢を叶えようと物件探しをスタート。やっちゃんが自分で貯めた500万円を元手にカフェをはじめました。
お客さんを席に案内し、注文を受ける。飲み物をつくって、運ぶ。お金を受け取り、おつりを渡す。カフェのすべての業務は、すべてやっちゃんがします。わかりやすいように、メニューは飲み物だけで、300円均一。食べ物は持ち込んでもらいます。
このカフェがユニークなのは、なぜかお客さんが勝手に手伝い出すところ。花を生けたり、掃除をしたり。中にはやっちゃんより先に来て、開店準備をしてくれるご近所さんもいます。こんなカフェ、ほかにあるでしょうか?

コーヒーを淹れる腕前が、ピカ一!
やっちゃんちのコーヒーは、注文が入るたびにハンドドリップで淹れます。近所のコーヒー屋でみんなで淹れ方を習ったところ、やっちゃんのコーヒーがいちばんおいしいということで、コーヒーだけは必ずやっちゃんが淹れることになりました。
おいしさの秘訣は、どんなにお店が混んでも、自分のペースを崩さないこと。ゆっくりゆっくり、コーヒーを見守ります。ちなみにラテを注文すると、やっちゃんが、チョコレートソースでラテアートも描いてくれます。

※本記事の内容は2022年8月時点のものです。