東京都人権啓発センター

TOKYO人権 第89号(令和3年3月31日発行)

JINKEN note/コラム

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体験的・創造的な学びの場に生まれ変わった「東京都人権プラザ」

「発明」から新たな気づきを
―東京都人権プラザがリニューアル・オープン

「発明」が人権課題を解決へ導く

写真:展示風景

この発明はどうして生まれたのかな展

2020年12月に東京都人権プラザがリニューアル・オープンしました。都の人権啓発拠点として時代に応じた新たな展開が期待されている中、人権プラザはどのような施設に生まれ変わったのでしょうか。発明をキーワードとした参加型・体験型展示とその魅力について紹介します。

障害のある当事者から始まった「発明」

 正面入口を入ってすぐ「この発明はどうして生まれたのかな展」と題されたゾーンには、鮮やかな色彩のデザイン性が高い展示が並んでいます。そのうちの一つ、「NIN_NIN」(ニンニン)は肩に乗せて一緒に移動できる、可愛らしいデザインの小さな忍者のような姿をしたロボットです。遠隔地にいる人が、インターネットに接続したパソコンやスマートフォンで操作し、搭載されたカメラ・マイク・スピーカーを介して「NIN_NIN」を乗せたユーザーやその周りの人々とコミュニケーションがとれます。発明の背景に「ボディシェアリング(テクノロジーの力を活用して身体の機能を他人とシェアする)」というコンセプトがあり、視覚や身体など不自由な部分を互いに補い合うことを目的に、当事者のニーズを踏まえて開発されました。

NIN_NINや洋服、イモムシラグビーの写真

障害のある当事者から生まれた「発明」の数々

 例えば、視覚に障害のある方は「音や振動だけを頼りに毎日命がけで横断歩道を渡っている」という現実があります。しかし「NIN_NIN」と一緒に出かければ、遠隔地から別の人が誘導することで安全に横断することができます。このほか、体を動かせない人が体が動く人の肩に乗った「NIN_NIN」を介して、様々な場所を見ることもできます。

 同じように、当事者発の課題解決型の発明品として、車いすを利用している方が着脱しやすいよう設計された洋服や、カラフルなイモムシ型のウェアを身に着け、下肢に障害がある人と一緒に寝転がりながら楽しめるスポーツ「イモムシラグビー」なども紹介しています。

「発明」を体験し、気づくということ

 こうした新しい「発明」に触れることで「これはなぜ発明されたのだろう?」という疑問が湧き、その背景にある当事者たちが抱える課題が具体的に浮かび上がってくることでしょう。

 人権という言葉を聞くと、人によっては身構えたり 躊躇ちゅうちょ したりしてしまいがちです。しかし、「発明」の展示を楽しみながら体験すれば、自然と当事者が抱える課題について知ることができます。そして知っている人が増えれば、社会全体で人権課題を解決する動きに つな がっていくのではないでしょうか。

写真:リニューアルした展示

パラリンピックなど他の展示もリニューアル!

 東京都人権プラザでは、今後、来館者のみなさんと一緒に新しい「発明」のアイデアを出す参加型プログラムなどを企画していく予定です。「発明」との出会いを通して、新たな気づきをぜひ見つけてください。生まれ変わった東京都人権プラザでお待ちしています!

執筆/玉邑 周平(東京都人権啓発センター 専門員)

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