東京都人権啓発センター

TOKYO人権 第78号(平成30年5月31日発行)

コラム

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バービー(Barbie™)に見る「美の多様性」

美しさに基準を設ける時代はもう古い!

 「バービーのようになりたい」。そう思ったことのある女性は決して少なくはないでしょう。
いつの時代も世界中の女の子が憧れる存在であるバービーが、2016年に生まれ変わったことをご存知でしょうか? バービーが教えてくれる「美しさ」について取材しました。

写真:年代ごとの3体のバービーの写真

バービーの表情の変遷

©2018 Mattel. All Rights Reserved.

 「バービー人形」(以下、バービー)と聞いて、皆さんは、どのようなバービーを思い浮かべますか?バービーは、1959年に米国でデビューし、1962年に日本でも発売が開始されましたが、時代の変遷とともにバービーも変化を遂げています。したがって、思い浮かべる容姿や表情、その装いは、世代によって異なるかもしれません。

 分かりやすい変化の一つは表情です。米国で誕生した当初のバービーは、口を閉じているため、やや物静かな印象を受けます。それが1971年からは正面を見据え、どことなく意思の強さを感じさせるように。1976年には少し口を開いて笑うようになり、その表情はより生き生きとしたものへと変化していきました。また、バービーの職業の幅も広がり続け、宇宙飛行士、医師、企業家など、その数は約180種類に及びます(2018年6月現在)。 こうしたバービーの歴史は、発売元である玩具メーカーの米国マテル社が、時代の流れをきめ細かく読んできた表れだともいえるでしょう。

写真:体型や髪・肌の色などが違う6体のバービー

体型も多様化したバービー

©2018 Mattel. All Rights Reserved.

 そんな同社が、2016年、「バービー ファッショニスタ」シリーズの拡充を発表しました。同シリーズは、バービーと無限のおしゃれを楽しむことをコンセプトに、多様なヘアスタイル、目の色、肌のトーンなどを展開してきましたが、今回新たに体型も多様化し、オリジナルの体型に、トール(長身)、カービー(曲線美)、プチ(小柄)の3種類が加えられ、計4種類になりました。このリニューアル時、米国マテル社は次のようなコメントを発表しています。「57年間にわたり、バービーはそれぞれの時代を反映してきました。そのため、バービーは世界でナンバーワンのファッションドールであり、世界的な憧れの象徴であり続けています。今回のような新しいドールを提供できることを、私たちはとても喜ばしく思っています。多彩な体型、肌色、スタイルがあることで、女の子たちは、それぞれに自分の心が惹かれるドールを見つけることができると考えています。私たちは、世界中の女の子たちとそのご両親に対して、バービーを通して時代に合わせた“美しさの多様性”を示していく責任があると考えています」。

 こうした米国マテル社の新たな試みを、日本の消費者はどう受け止めたのでしょうか。同社の日本法人であるマテル・インターナショナル株式会社に尋ねたところ「新しいコンセプトについて、バービーで遊ぶお子様の親御さんからは多くの賛同をいただいています。今後も美しさの多様性や、個人のアイデンティティを尊重するコンセプトを日本の皆さんに伝えていきたいと思います」との回答が寄せられました。

 私たちの実像に近い多様なバービーに、憧れだけではなく、親近感を抱く人も多いことでしょう。近年、欧米を中心に「ありのままの自分の姿を受け入れよう」という「ボディ・ポジティブ」の考え方がムーブメントになっていることからも、画一的な美しさの基準を設けようとする時代は終わりつつあるといえそうです。いかなる肌の色も、髪の色も、体型も美しい。「美しさの多様性」を認める時代になった今、まずはありのままの自分、ありのままの身近な人の美しさを発見してみませんか?

インタビュー/田村鮎美(東京都人権啓発センター専門員) 編集/那須桂

もっと知りたい!

米国マテル社・公式ホームページ内
「バービー ファッショニスタ」のサイト
外部サイトへ移動しますhttps://barbie.mattel.com/en-us/about/fashionistas.html

マテル・インターナショナル株式会社のロゴ

<取材先情報>
マテル・インターナショナル株式会社

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