東京都人権啓発センター

TOKYO人権 第60号(平成25年11月22日発行)

インタビュー

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TOKYO人権 WEB限定コンテンツ サヘル・ローズさんの巻

『TOKYO人権』のインタビューを受けてくださったサヘル・ローズさんに、さまざまな人権問題を考える上で、読者の方にぜひ知ってほしい作品(書籍、映画など)を紹介してもらいました。

取材風景

 私は本はたくさん読みますよ。映画もたくさん見ます。お芝居も。作品を鑑賞するのは好きですね。

 見る作品を選ぶときは、その評価とかはあまり気にしません。自分の“嗅覚”を頼りに選びますね。「あ、これ見てみたい!」って思ったものを鑑賞するようにしているから、ジャンルはバラバラなんですけど。

 みなさんに紹介したいものがたくさんあるのでどうしようかなぁ…。

雪とパイナップル 書影

雪とパイナップル
鎌田 實:著/唐仁原 教久:挿し絵
発売元:集英社

 書籍でみなさんに紹介したいのは、『雪とパイナップル』。鎌田實さんがチェルノブイリの事故で医療支援に行っていたベラルーシでの実話です。

 病気で食事のできない男の子がパイナップルの缶詰を食べたいと言うのだけど、経済の崩壊した貧しい北の国にはそんなものは無くて。でも一人の看護師が彼にそれを食べさせてあげたくて…。読んでるうちに涙が止まらなくなってしまいました。

 今、日本で、なんとな〜く毎日を送っている人たちに読んでほしい。この「なんとな〜く」がどれだけありがたいことなのか、感じてほしい。大人向けの内容ですが、絵本なので子どもでも読みやすいです。

灼熱の魂 ジャケット画像

『灼熱の魂』
監督・脚本:ドゥニ・ヴィルヌーヴ
2010年/カナダ・フランス/131分
DVD発売・販売:アルバトロス(株)

 映画で紹介したいのは、『灼熱の魂』。私がすすめた人の百人中百人が「良い!」と言った、素晴らしい映画です! 海外ではすごい賞を取っているんだけど、日本ではあまり知られていないですね。でも、見て損はないです。

 ある母親が亡くなるところから話が始まるんだけど、その母親が子どもたちに遺言書を残すの。彼らが、それを頼りに、母が歩んできた人生の道のりを辿ったり、本当の父親を探すんです。劇映画だけど、実話が元になっている作品なんです。

 子どもは親の頑張ってる姿を毎日見ているから、みんな自分の親のことはよく知っているつもりになっていますよね。だけど、親にはどうしても話せない過去があって、それを子どもに隠していたりする。子どもを育てるために自分の身をすごく削っているのだけど、それを、自分が生きている間は知られたくなかったりして…。

 この映画に出てくるお母さんは、苦しみから逃れて生きのび、好きではない人の子どもを産んで。だけど、それでもその子どもたちを愛するっていう…いろんな気持ちが入り交じってっていて、その複雑さに本当の親の愛を感じます。すごく深い話だから、この作品を見た後は、みんな二日三日考えさせられてしまうみたい。

別離 ジャケット画像

『別離』
監督・脚本:
アスガー・ファルハディ
2011年/イラン/123分
DVD・Blu-ray発売・販売:Happinet

 イラン映画もよく見ますよ。最近の作品では『別離』がおすすめです。アカデミー賞をとりましたね。

 離婚の問題、みんなが海外に出て行きたがっていること、女性が家庭で担っている高齢者介護がどれだけ大変かということ…。イランが抱えているいろいろな問題を取り上げていて、リアルな今のイランを描いています。この作品は、レンタルビデオ屋さんでも借りられます。

ペルシャ猫を誰も知らない ジャケット画像

『ペルシャ猫を誰も知らない』
監督・脚本:バフマン・ゴバディ
2009年/イラン/106分
DVD発売・販売:紀伊國屋書店

 それから、『ペルシャ猫を誰も知らない』。イランでは女性が音楽活動をすることは許されていないんです。それに、ロックは欧米の文化だからイランでは禁止されていて、絶対にやってはいけないものなの。でも、ある若い女の子がどうしても音楽がやりたくて、それで彼女は地下活動でロック・バンドを作ったんですね。そんな若者たちを追ったドキュメンタリーです。とても興味深い作品です。

 イラン映画を見たことない人は多いかもしれませんが、素晴らしい作品がたくさんあるんですよ。そのことをもっとみんなに知ってもらえたらうれしいな。

どんなときでも自分を信じ、どんなことでも自分の糧に(サヘル・ローズさん)

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