東京都人権啓発センター

TOKYO人権 第55号(平成24年8月31日発行)

コラム

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指先からつながるエイズ啓発キャンペーン「ネイルにレッドリボンを」

“ レッドリボン” は、HIV/ エイズ(注)と共に生きる人々に偏見を持ったり、差別したりせず、理解し支援することを表明するシンボル。これからは、ネイルにレッドリボンを描くのが秋の定番のおしゃれになるかも?!

写真:ネイルアートの様子

 ハミガキや歯ブラシのメーカーとして知られるサンスター株式会社の東京オフィスには、高さ2メートルほどのリボン型オブジェが飾ってあります。表面には小さな赤いリボンがびっしり。このオブジェのデザインの基になっているのが“レッドリボン”と呼ばれるマークです。HIV/エイズを理解し、この病とともに生きる人たちを支援するシンボルとして、世界中で使われています。

 サンスターでは、2005年からCSR活動として、HIV予防とエイズ理解のための啓発活動に取り組んでいます。このオブジェは、これまでの活動で使われてきたものです。サンスターが現在、この活動の一環としておこなっているのが「ネイルにレッドリボンを」キャンペーンです。おしゃれとして爪に模様を描いたり、ラインストーンを飾ったりするネイルアートにレッドリボンを描こうという企画です。

写真:ネイルアートの様子

 女性にとってなじみのあるネイルアートを切り口にすることで、HIV/エイズを身近な問題として考え直してもらい、また、一人ひとりに発信者にもなってもらおうというのが狙いです。同社広報室の清家瑞穂(せいけみずほ)さんは、「爪に描くだけだから、HIV/エイズのことをあまり知らない人でも気軽に参加できるし、良いんじゃないかと思いました」と話します。

 初めて開催されたのは2009年。ネイルにレッドリボンを描くということを基本にして、これまでさまざまなアクションをおこしてきました。自分で描いたレッドリボン・ネイルアートの写真コンテストのほか、イベント会場や街頭で来場者の爪にレッドリボンを描くネイルアートのサービスなども。

 ネイルアートのサービスは、ネイルアーティストと、施術を受ける人が向かい合って、手を触れ合います。距離がぐっと近づくことで、さまざまな話をすることができ、呼びかけが一人ひとりに届きやすいというのがこのアクションの良い点です。「参加者の方に、『今まで関心がなかったけど、知るきっかけになって良かった』と言ってもらえたことがとてもうれしかったですね」(清家さん)。

写真:高さ2メートルほどのリボン型オブジェ

清家瑞穂さんとオブジェ

 ネイルアートというと、参加者は女性だけのように思われますが、趣旨に賛同した男性や親子の姿もあるといいます。男性には少し黒っぽい赤を使ってハードな印象にしたり、ネイルができない子どもにはシールを貼るなど、施術者が工夫をこらします。ポップでおしゃれなレッドリボンのネイルアートサービスは大変好評で、キャンペーン会場にはちょっとした行列ができるほどだったそうです。

 サンスターでは啓発パンフレットなどのデータを貸し出すこともおこなっており、同社の手を離れて保健所や学校のイベントで実施されたこともありました。大がかりな装置や経費もそれほど必要なく、気軽に参加することができるので、このキャンペーンは、企画者の予想以上に広く受け入れられる可能性がありそうです。

 「ネイルにレッドリボンを」キャンペーンは、今年も、秋から12月1日の「世界エイズデー」にかけて、さまざまなイベント会場などで開催される予定です。

 あなたもネイルにレッドリボンを描いて、指先からつながる理解と支援の輪に加わってみませんか。

インタビュー/鎌田晋明(東京人権啓発センター 専門員)
編集/小松亜子

(注)
HIV:ヒト免疫不全ウイルス。感染すると免疫細胞を破壊し、免疫力を低下させる。
エイズ(AIDS):後天性免疫不全症候群の略称。HIV の感染によって発症するさまざまな病気の総称。

「ネイルにレッドリボンを」

ロゴ画像:ネイルにレッドリボンを

(注)2012年11月2日追記
2012年の活動は、ソーシャル・ネットワーキング・サービス 「Facebook」内の特設ページに掲載しています。

外部サイトへ移動しますネイルにレッドリボンを 公式Facebookページ  http://ja-jp.facebook.com/RedRibbonNail

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