東京都人権啓発センター

TOKYO人権 第52号(平成23年11月25日発行)

コラム

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冬スイーツの王様“フェアトレード・チョコレート”って知ってる?

開発途上国でつくられた商品を適正な価格で取引することを「フェアトレード」といいます。スイーツの代表格ともいえるチョコレート、はたしていくらが“ 適正価格” だと思いますか?

写真:長谷川輝美さんとフェアトレード商品

長谷川輝美さん

 私たちの暮らしには、コーヒー、紅茶、チョコレートなどのほか、雑貨や衣料品等々、開発途上国で生産されたものが数多くあります。メーカーは日本企業でも、原材料は途上国からの輸入に頼っている…そんな商品は数えきれません。

 例えば、チョコレートの原料となるカカオ。日本には年間で約6万トンのカカオが輸入されていて、その7割がアフリカのガーナからのものです。農作物の価格はさまざまな要因で変化しやすく、立場の弱い途上国の生産者は不当に安い価格でも取引に応じざるをえません。このことは低賃金労働だけでなく乱開発による環境破壊の温床にもなっています。多くの人たちが劣悪な環境・条件のもとで働くことを強いられており、特にガーナを含む西アフリカでは児童労働が大きな問題となっています。こうした途上国の労働者の人権を守り、自立を支援することによってさまざまな問題を解消しようと考えられた仕組みが「フェアトレード」です。フェアトレード(Fair Trade:以下FTと略す)は直訳すると「公正な取引」ですが、これはFT団体が途上国の生産者と適正価格で直接取引をすることのほか、そのことによって児童労働をなくすこと、農薬等を使用せず、生産地の環境や、生産者・消費者の健康にも配慮することなどが含まれます。

 チョコレート以外にも、雑貨や衣類など様々なFT商品を扱う「ウィメンズショップ パッチワーク」代表の長谷川輝美(はせがわてるみ)さんは、FT商品を買うことについて次のように話します。「“買うこと”は“選ぶこと”です。国際協力なんて言うと敷居が高く感じるかも。でも、FT商品を選ぶことが、当たり前のことを守ることにつながり、それがさらに途上国の人たちの貧困改善や子どもたちが学校へ通えることにもつながるんです」。一例ですが、一般的な板チョコ58gあたり100円なのに対し、FTチョコレートは260~370円くらい。価格だけを見たら「ちょっと高いなぁ」と感じるかもしれません。しかし、そこには海の向こうにいる生産者の笑顔という付加価値もついているのです。

写真:チョコレート

 最近では、専門店だけでなく、スーパーやコンビニ、あるいはインターネットでもFT商品が簡単に手に入るようになってきました。FTかどうかを見分けるには、第一にパッケージにマークがついているかどうか。日本のFT商品にはマークのついていないものも多いのですが、そういう場合はたいていFTであることが商品説明などに書かれています。

 長谷川さんは、「FTチョコレートをとにかく一度、食べてみてください。その美味しさにきっと納得しますから!」と絶対の自信を見せます。FTチョコレートは、安心で安全な原料をもとに、一般のチョコレートよりも長い時間をかけて練り上げるなど、とても丁寧につくられています。また、素材にもこだわり、添加物を極力使用していないので溶けやすく、そのため販売は秋から春先までに限られます。FTチョコレートは寒い時期ならではのお楽しみともいえそうです。

 自分へのご褒美に、今年お世話になった方へのクリスマスプレゼントに、ちょっと気が早いかもしれませんが次のバレンタインに、生産者にも消費者にも、そして地球にも優しいフェアトレードのチョコレートを選んでみてはいかがですか?

インタビュー/鎌田晋明(東京都人権啓発センター 専門員)
編集/那須 桂

フェアトレードのある暮らし

フェアトレードについて分かりやすく解説された1冊です。

『フェアトレードのある暮らし』

(発行:(財)大竹財団 無料)
(注)お問い合わせはウィメンズショップ パッチワークまで

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