東京都人権啓発センター

TOKYO人権 第39号(平成20年9月17日発行)

リレーTalk

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非正規労働者の雇用環境整備への取り組み 誰もが働きやすい職場作りを目指して

せきとしおさん

東京都産業労働局 雇用就業部 労働環境課 労働係係長
関 利雄(せきとしお)さん

パート、派遣社員、契約社員等、雇用形態の多様化への対応が、社会全体の課題となっています。雇用と労働の問題は、基本的な人権に関わる重要な問題です。
こうした「非正規雇用」の問題に対して、東京都ではどのような対策を実施しているのか。都産業労働局の関さんにうかがいました。

 「非正規雇用」で働く労働者は、年々増え続けていますが、正社員と同じ仕事をおこなっているにもかかわらず、処遇に格差があったり、昇進や正規雇用へ転じる機会がほとんど与えられていないことなどが、問題となっています。また、就業規則や賃金決定方法などの整備も遅れています。

 そもそも、非正規労働者の増加は、人件費コストを抑えたいという雇う側の要因と、女性や若年層など多様な働き方を求める指向が合致して拡大してきたものです。このため、雇用環境の整備という点では、これまで対策が遅れていたと思います。

  平成19年度に、都内6カ所の労働相談情報センターに寄せられた相談のなかで、パートタイム労働や派遣労働に関するものは8,228件(全体の15.1%)ありました。その内容は「労働日や労働時間を一方的に変更させられた」とか「雇用契約を途中で打ち切られた」といったものが多く、企業や事業主の方には、労働法令の一層の遵守が求められます。また、働く側も自らの権利をきちんと自覚しておくことが大切だと思います。

 こうした、トラブルを未然に防止するために、都では、セミナー開催をはじめとする、さまざまな啓発活動や、支援活動をおこなっています。

 具体的には、まず、事業主への働きかけとして、雇用環境の改善に積極的に取り組む中小企業を「トライ企業」、改善に取り組んだ先進的企業を「モデル企業」として認定しています。「トライ企業」に認定されると、社会保険労務士や中小企業診断士による相談が無料で受けられます。また、「モデル企業」の取組は、東京都のホームページや広報誌などに掲載して、広くPRしています。

 一方で、正社員になるためには働く側にも何らかのスキルアップが必要です。しかし、働きながら技能を身に付けるのはとても大変ですし、かと言って、スキルアップに専念して収入が無ければ生活が立ちゆかなくなってしまいます。そこで、平成20(2008)年の8月から「就職チャレンジ支援事業」を、まず23区でスタートさせました。これは正社員になる意欲を持つ人たちに対して、職業訓練を受ける機会を提供する制度で、訓練期間中は、生活費相当の受講奨励金を支給するというものです。訓練終了後には就労支援もおこないます。応募には、いくつかの要件がありますが、今年度中に都内各区市町村すべてで実施する予定ですので、区市町村の「生活安定応援窓口」へお気軽にご相談ください。

 また、就職チャレンジ支援事業の職業訓練修了者を正社員として採用し、6カ月以上継続して雇用した企業には、助成金を支給する制度も用意しています。

 非正規雇用の問題解決には、労使双方の理解と努力が欠かせないと、わたしたちは考えています。働くみなさんにはご自身の仕事のスキルを磨いていただき、事業者側には雇用環境を改善していただくことなど「雇用形態にかかわらず、誰もが働きやすい職場」が数多く生まれるよう、東京都では今後も積極的に支援していくつもりです。

問い合わせ先

東京都 産業労働局 雇用就業部 労働環境課

電話:03-5320-4647 ファックス:03-5388-1469

URL:外部サイトへ移動しますhttp://www.hataraku.metro.tokyo.jp

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