東京都人権啓発センター

TOKYO人権 第25号(平成17年4月1日発行)

リレーTalk

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バリアフリー社会の推進に取り組む 花王株式会社社会貢献部

顔写真:高内さん

花王株式会社
コーポレートコミュニケーション部門
社会貢献部主任 高内美和さん

(本来、「高」の字は、はしごだかですが、環境により表示できない場合があるのですべて「高」で表示しています)

きざみ入りシャンプー容器が実用化されたのは1991年。洗髪中に目をつぶっていても、あるいは視覚に障害がある方でも、容器を触っただけでシャンプーとコンディショナーの区別をつけられるようにしたい そんな想いから、あのギザギザは生まれました。

今回のリレートークは、花王株式会社社会貢献部の高内美和さんを迎え、企業が取り組むバリアフリー社会の推進について、その内容と目指すところなど、担当者として話していただきました。

 シャンプーのきざみ入り容器を開発するきっかけとなったのは、当社の製品を使っていただいている方々からの声でした。試行錯誤の末、91年10月に実用にこぎつけましたが、いったん申請した実用新案登録を、検討の上、取り下げることにしました。これは、シャンプー容器のきざみが、業界内で統一された形になることが混乱を避けるための、また普及のための最善の方法であると判断したからです。結果的には各社の賛同・協力を得て、現在ではほとんどのシャンプー容器にきざみが入っています。

 こうした、消費者の声に耳を傾けることや、社会貢献の姿勢は、現在の当社の企業理念である「豊かな生活文化の実現」という使命、および、それを目標として取り組んでいる社会文化活動へとつながっているものです。私が所属している社会貢献部が進めている「バリアフリー社会の推進」という取り組みも、その延長上にあると言ってよいでしょう。

 95年に当社で製作したビデオ『見えない目で歩いた街』をはじめとする、一連のバリアフリー作品は、障害者の視点から街や社会を捉えなおし、障害に対する考え方を社会全体で共有していくことなどを目的としています。これらは学校や企業研修などに無料貸し出しを行っています。

 2004年には小学校低学年向けに『みんなで使えるかな?〜バリアフリーについて考えてみよう〜』という人形劇仕立てのビデオを製作しました。これは「三匹の子ぶた」や「赤ずきんちゃん」に悪役として登場するオオカミが、じつは優しい心の持ち主で、みんなと一緒に相手を理解することを通して、バリアフリーについて、考えていくという内容のものです。

 この作品は、学校の先生方などから寄せられていた、むずかしい言葉や内容でなく、低学年の子どもたちでも理解できるものというご要望に応じて製作したもので、社会文化活動の理念である「次世代の育成」というテーマにも合致しています。

 このほかにも、視覚障害者に向けて、当社の製品約450アイテムすべての情報を音声でCDに記録した「商品と暮らしの花王ボイスガイド」や、歯磨き粉と洗顔料のように類似した容器を区別するための「点字シール」を無料で配布するなど、製品開発、情報提供の分野でさまざまな取り組みを行っています。

 企業の社会的な責任が見直されている昨今の状況のなかで、社会貢献部というセクションは、当社と社会をつなぐ窓口になると考えています。

 「よきモノづくり」をめざす企業として、社員一人ひとりの社会参加の意識が高まることは、結果として製品やサービスに反映されるのではないかと思います。

 また、社内を活性化することもわれわれの大切な役割です。実は、「みんなで使えるかな?」の人形の中に入っているのはすべて当社の社員ボランティアです。ですから、動きがぎこちないシーンもあるかもしれません(笑)。それでも参加者からは「バリアフリーを見つめ直すよいきっかけになった」という声が口々から聞かれました。取り組んだ社員が元気になるというのは、私たちとしてとてもやりがいがあることです。

 こうした社会貢献のための一つひとつの積み重ねが、いずれ社会に還元され、豊かな生活文化の実現に寄与していく。その目標達成のために、今後も取り組んでいきたいと考えています。

花王のバリアフリービデオ
  • 「見えない眼で歩いた街」(15分)
  • 「バリアフリー社会をめざして~見えない世界・聞こえない世界~」(15分)
  • 「みんな一緒 雅士くんの一学期」(15分)
  • 「みんなで跳んだ」 (5分)

(貸し出し用は1本に4話収録)

小学校低学年向けバリアフリー学習ビデオ

ビデオ「みんなで使えるかな?」の写真

  • 「みんなで使えるかな? ~バリアフリーについて考えてみよう~」(23分)
    協力:(財)共用品推進機構
【問い合わせ先】
花王株式会社 社会貢献部
電話:03-3660-7057 ファックス:03-3660-7994
ホームページ: 外部サイトへ移動しますhttp://www.kao.co.jp/corp/citizenship/index.html
注:バリアフリービデオは企業や学校など団体へ貸し出しを行っています。
バリアフリー学習ビデオの寄贈は小学校に限らせていただきます。いずれも営利目的や個人への貸し出し・寄贈申請には応じかねますので、ご了承ください。

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